前回のテーパリング時、NASDAQ100やS&P500などの主要指数やGAFAMなどはどのような値動きをしたか確認したいと思います。
■記事のポイント■
- 中央銀行が金融商品(国債、社債など)の買付け額を徐々に減らしていくことをテーパリングという。
- バーナンキショックの際、主要指数などは一時的に下落したが、その後、QQQ、VTI、VOOはテーパリング期間中、終了後も上昇した。
- GAFAMは大きく成長していたFacebookを除けばボックス相場。
- 過去の値動き通りに動くなら、テーパリングを織り込む際の調整は買い場かも。
テーパリングとは?
- 景気悪化時、民間企業などに資金をばらまくため、中央銀行が国債や社債、リートなどの金融商品を購入することを量的(金融)緩和政策といいます。
- テーパリングはその購入額を徐々に減らしていくことを指します。
- なお、縮小はしながらも中央銀行は市場に資金を供給しているため、量的(金融)緩和が終了したわけではありません。
バーナンキショック?
- 2013年5月、FRB(米連邦準備制度理事会)議長のバーナンキ氏が市場のコンセンサスよりも早い時期でのテーパリング開始を示唆したことにより発生した金融市場の混乱です。
- 米国相場も下落しましたが、特に新興国への影響が大きく、新興国の株価指数は一時約16%下落しました。
- 日本も例外ではなく、バーナンキ議長の発言の翌日、日経平均は1,000円以上下落しています。
バーナンキショックとテーパリング実施期間中の株価推移
QQQ・VTI・VOO・IWM・HDV
バーナンキショック
- ETFによって差はありますが、大体どれも5、6%ほど下落しています。
テーパリング期間中・終了後
- QQQ(青)、VTI(黄)、VOO(赤)は株価の上下こそありますが、テーパリング期間中も上昇し、その後も継続して上昇しています。
- IWM(緑)、HDV(紫)はヨコヨコでボックス相場です。
GAFAM
バーナンキショック
- どの銘柄もあまり影響はなかったみたいですね。
テーパリング期間中・終了後
- Facebook(水色)の株価だけ異常に上昇しているため確認したところ、7月下旬に超好決算を発表したことによって上がっているようです。テーパリング期間中もボラリリティこそ激しいですが、振り落とされず持っていれば大きく上昇しています。
- それ以外の銘柄は基本的にヨコヨコでボックス相場ですが、少なくとも大きな下落などはありません。
まとめ
- 過去の事例のため、これから行われるであろうテーパリングも同様の値動きになる保証はありませんが、参考にはなると思います。
- テーパリングの実施時期などを織り込んでいくタイミングで少なからず市場がギクシャクする時期があると思うので、そこは買い場になりそうです。
- ただ、「バーナンキショック」というFRBの苦い経験から現議長のパウエル氏は丁寧に市場と対話し、慎重に金融緩和政策の出口を探っている印象を受けるため、調整はない可能性もあります。
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