ジュニアNISA投資方針で利上げの時、株価は上がる傾向があると紹介しました。
ただ、今回の利上げは過去の利上げサイクルの時とはインフレなどの前提条件が異なります。
そのため、反対記事はないかなと探していたのですが、良い記事があったので紹介します。
1971年から何回利上げした?
青い部分が政策金利(FFレート)で赤い部分が利上げ箇所です。
1971年からこれまでで8回利上げをしています。
にしても過去と比較すると政策金利低いですね・・ここまでとは思っていませんでした。
利上げとは?利上げする理由
「利上げとは」でグーグル先生に聞くとたくさん出てきますが、これが1番わかりやすいかなと思いました。
景気が上昇してくると市場が過熱してくる傾向があり、インフレの懸念が強まっていきます。
そうした動きを抑えていく目的で政策金利を引き上げることを利上げと言います。
「利上げ=金利が上昇」するため、各企業が設備投資を控える場合が多くなりますし、個人消費も意欲低下に繋がり、過熱した状況を抑制する事が期待できます。
FRBとは?利上げ公表で金融緩和・株価への影響は? | クリエイト転職
インフレですが、米国では「懸念」ではなく進行中です。
日本は・・ご存知のとおりです。
マイナス金利政策を実施していますが、デフレ脱却はいつになるのか・・。
利上げ時の株価推移(S&P500)
赤は先ほどと同様に利上げ局面、青線はS&P500の株価推移です。
パッと見、左から1~3番目以外は明らかに上昇してますね。
利上げしてもなぜ株価は上がりやすいのか?
まず、 利上げは普段、好景気の過熱を防ぐ目的で始まる。 特に1990年代の利上げ、2004年と2015年の利上げは好景気、強い雇用情勢を背景に金融の引き締めが決定された。つまり、 業績が改善し続ける可能性が高い局面で利上げが行われるケースが多い。 あわせて株価も上がりやすい状況となる。
いわゆる業績相場で良いかと思います。
つまり景気が良いことが前提ですね。
景気後退の兆しが見えてきて、利下げが意識され始めたり、実際に利下げすると株価は下げる傾向にあります。
ここは注意点ですね(いずれ記事にしたいと思っています。)
過去の利上げ時の状況
「名目CPI」はインフレ率、「12M PER」は株価のバリュエーションの高さ(高いほど割高)を表します。
騰落率を見れば明らかですが、上昇していることの方が多いです。
今回の利上げで株価は下がるかもしれない理由
さて、過去は上がってるのに何で今回は下がるんだ!って話ですが、記事では主な理由は2つ紹介されています。
株価のバリュエーションが高い
株価がここまで割高だった利上げサイクルはドットコム崩壊以来。 ITバブルが崩壊した2000年の最後の利上げは同年の前半。実はこの利上げサイクルは8つの中で最も短いものでもあった。たった1.3年で終了した。このサイクルの騰落率を見て頂ければ+13.1%と大きくプラスになっているが、その後の株価は…
Cryptact Grid
「12 PER」をご覧下さい。過去と比較すると確かに高いですね。
ハイパーグロース株を中心に株価のバリュエーション圧縮がここ最近行われていた印象ですが、まだ高いと。
小型株はともかくショッピファイなどのそれなりに時価総額の大きい銘柄も半値以下になっているのが恐ろしい・・。
実際にチャートをいくつか見ます。
ショッピファイ($SHOP)
Eコマースの会社です。
一時期1,700ドルあった株価は現在660ドルまで下落しています。
クラウドストライク($CRWD)
ネットセキュリティの会社です。
300ドル近い株価から約160ドルになっています。
利上げ開始時のインフレ率
今回の利上げサイクルは7%を超えるインフレからスタートを切る。ここまで手遅れとなったFEDは、過去100年間において存在しない。 「一時的」の判断を無理やりに維持した結果、1970年以降の利上げサイクルで一度もなかった「危険領域」からのスタートとなる。そして公式に「一時的」を卒業しているものの、未だに今年の後半にインフレが2%の目標に減速してくると期待している。
Cryptact Grid
過去と比較すると確かに7.5%はだいぶ高いです。
これまでで最も高かった2回目の利上げは5.5%スタートで騰落率はマイナスになっていますね。
そして、怖いのが今の金融政策が今年の後半にはインフレが落ち着くだろうという前提に立っている点。
インフレがどんどん下がる前提で金融政策を行う予定のFEDが、下がらないインフレと直面したらどう判断するのだろうか。
Cryptact Grid
こうなるとインフレ次第なんですよね。
徐々に落ち着いていくという見方が多いような気はしますが、目標の2%までさらっと落ちるかというと・・どうなんでしょうね。
コロナによるサプライチェーンの影響も大きいと思いますが、それは金融政策ではどうにもならないのでコロナ次第な部分もありそうな気も・・。
インフレがどうなるかによってバランスシート縮小のスピード感も変わると思うので、重要です。
まとめ(所感)
これまでとは前提条件が異なることはよくお分かりいただけたように思います。
他にもイールドカーブのフラットニングが進んでおり景気後退がそう遠くないのでは?という懸念や地政学リスクなど問題が多くあります。
インデックス投信を売る気はありませんが、運用資産全体の1割程度を占める個別株の扱いを考えないとなーと最近思っています。
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